■涙の夏休み物語(前編)


8月も、もうすぐ終わりだ。

子供のいる家庭では、夏休み悲壮モードに突入しているようだ。





私は小学校の頃、夏休みはあまり好きではなかった。

夏休みが近づくと、とても憂鬱になり、

「頼むから、夏場も普段どおり授業をやってぇ~~」

と懇願したくなるほど嬉しくなかった。





理由は、もちろん宿題の莫大さである。





私が通っていた小学校は、小学校なのに教科ごとに教える先生が違っていた。

1学期が終わる頃、国語は国語の先生から、算数は算数の先生から、

宿題が山盛り出された。

どの教科も問題集各1冊と、先生お手製のプリントが重いほど配られるのだ。


 


普通の小学校なら、クラスの担任の先生が、

宿題の全体量を把握し、出す量を調整してくれるのだろうが、

私の小学校は、先生同志の横の連動が出来ておらず、

張り切った先生が競うようにしてたくさん出した。

もちろん、夏休み用に配られる「夏休みのくらし」(他府県は「夏休みの友」)という宿題もしなければならない。






何よりも一番の難点は、

自由研究・絵画・工作・習字・読書感想文の5つはすべて必須だったのだ。



 


そして、1学期の終業式の日に、担任の先生(一応いる)から、

「のびのびと楽しく夏休みを過ごしてらっしゃ~~い♪」

などと言われるたびに、






「自分で言ってることの矛盾をわかってんのかーっ!」

と心の中で叫びまくり、





「あーあ ( ̄_ ̄) =3 というため息ばかりつきながら、ヘロヘロの状態で、

宿題と書道セットと絵の具セットをなわとびで一つにまとめ、でかい小荷物のように家に持ち帰るのだった。

 



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夏休みが始まると、我が家には異様なほどのハリキリ者がいた。






である。




 

母は毎年、私の夏休みが始まると、

だらけさせない!計画的にさせる!完璧にやり通させる!

という子供に対する自分の目標を高々と掲げて鼻息が荒かった。




 

母は夏休み初日、

休み前にいったん学校に提出した 『夏休みの私の計画』 という一覧表を自分にも提出させ、






「自分で決めたことは、やり通しなさいっ!」

と私がまだ、だらける前から説教した。






さらに

「全科目の宿題の問題集を出しなさい。そのページの隅に、日付を書いていきなさいっ!!

どの問題集もだいたい120ページでしょっ。それを40日で割ったら?」





「3ページ....」





そっ!ねっ! 1日各教科3ページずつやるだけでいいのよっ!

先生はちゃんとできる量を宿題にしてるんだからねっ!」






「でもまだ、プリント夏休みのくらし自由研究工作読書感想文習字もあるよ」






「.....。 ま、計画の立て方はわかったやろっ!.....じゃねっ!」 

と、言いっぱなしで買い物に出かけてしまうのだった。






その後、宿題は午前中の涼しい時間帯にやれ!だの、

家の手伝いもしろ!だの、今日は本を読め!だの、思いつくままに私をコントロールした。

 



 

そして、母に 「今日は習字をやりなさいっ!」 と命令されれば、

私は新聞紙を切ることから始めなければならなかった。






「いきなり半紙に書くなんてもったいないっ!

よぉ~~~く新聞紙で練習してから、半紙に書きなさい!」







鬼書家になり、朝から晩まで半紙大の新聞紙に書かせまくった。

 




そして、1日かけて新聞紙に書きまくり、

腕力・握力とも低下した夜中に半紙に書かせ、

たいして朝と変わり映えのしない私の作品を部屋中に敷き詰めて、

「う~~~ん....( ̄へ ̄) 」 と提出作品を選ぶのであった。

 




また「夏休みのくらし」 (他府県は「夏休みの友」) という宿題付き夏休みガイドブックも、

最初のページから全部実行させた。

 




『下敷きと輪ゴムを使って舟をつくりましょう』 と書いてあれば、
舟を作って池に浮かべて走らせた。


『すいかキャンディーを作ってみましょう』 と書いてあれば、
すいかに割り箸を突き刺して凍らせ、

まっっっずい、スイカキャンディー を作って食べさせたのだった。





 

しかし、算数などの宿題で解らないことがあり、母に聞きに行ったりしても、

「お兄ちゃんに聞きなさいっ!」

と言って逃げた。






しかたなく8歳年上の兄に聞きに行くのだが、私は兄の教え方が嫌いであった。


私が小学生低学年の頃にはすでに高校生であり、教え方が難しいからだ。






すぐxやyを使って説明をするので、小学生の私には、とても難しく思えたのである。







「もう、そのxとyとzって嫌いや。 ○と△と□で説明してよぉ~~」

と頼むと、






「あ~~そうかそうか♪」

と言いながら、紙の一番上に












○=x



△=y



□=z




と書き、







結局また、y=2x+zなどと書いて説明するのであった。





涙の夏休み物語(中編)へつづく




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by season-maro1 | 2004-08-26 07:46 | 栄えあるオマヌケぴーぷる
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