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■不思議少女の思い出





テレビで西村知美小倉優子などを見ていると、小学校のクラスメイトの女の子を思い出す。





その子は私の前の席の子で、謎のカット屋と呼ばれていた。






彼女は勉強も普通にできる可愛い女の子であったが、

なぜか自習の時間になると、

いつもいろんな香りや形の消しゴム下敷きカッターナイフで切り分け、嬉しそうに、






「どうぞ♪」






スーパーで試食品を手渡す人のように、

サイコロサイズの消しゴムなどを近くの席の子に配って回るのだ。







席が彼女の後ろだった私は、毎回一番最初にもらうのだが、

「あ、いつもすみません」 などと言って受け取る。







そして、じーっと嬉しそうに私の反応を眺めているので、

視線に耐えられない私は、ちょっと香りを嗅いだ後、

使いにくいサイズの消しゴムで、文字を消して見せたりして、ペンケースに入れていたのだが、

ペンケースの中は、筆記用具が入りづらいほど、もらった消しゴムのかけらや意味不明の下敷きのかけらがゴロゴロしていた。









そんなある日の自習時間、

彼女は、その日もまた背中を丸めてカッターナイフで一生懸命切り分けていた。




今日の品は硬いのか、キコキコしては、カタンという音とともに切り分けられているようだった。

そろそろ振り返るのかとドキドキしていたら、まだ作業中のようで、なかなか振り返らない。



今日はないんだな...と思っていた頃、突然ガバッと振り返り、









「取れました!!」 と言う。









は?と思っていると、



「どうぞ♪ マロちゃんにだけあげる!」



そう言って笑顔で私に手渡したものは、5センチくらいの小さなバネ。

何これ?と聞くと、「え?これですけど。」 と当然のように自分の机の上を指差した。








なんとそれは、ビニール製の縄跳びのロープの中に入っているバネ状のものであった。








「ええっ!縄跳び切っちゃったの?」 と驚いて聞くと、







「いや~大変でしたぁ~~♪」 と笑顔で答えた。







なんじゃそりゃ!と思いながらも、仕方なく「ありがとう」と受け取り、

また視線に耐えかねて、ゴム臭いバネの匂いを嗅いだり、指で引っ張ったりして、

とっても気に入ってますよ♪というアピールをした後、ペンケースに入れたのだった。






なぜ縄跳びロープを切り分け、なぜその中のバネを取り出し、なぜ私に笑顔で渡したのか。



いまだに謎は解けないのだった...。





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by season-maro1 | 2004-07-17 07:39 | 栄えあるオマヌケぴーぷる
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