■それいけ!クリスマス大作戦(1)


もうすぐクリスマスだ。

街は赤と緑と光で彩られ、心をウキウキ気分にさせてくれている。







クリスマスといえば、主役はサンタクロース。

ここ最近は、日本にも本場フィンランドから、ソリではなく飛行機で、

白髪の割に肌つやの良い、

肥満体のサンタクロースが何人もやってきて、テレビにまで出たりしている。







以前、私の実家がある四国にも、クリスマスイベントに参加するために、

フィンランド公認サンタクロースが、フェリーに乗ってやってきた。

サンタクロースは、何にでも乗るらしい。







そしてイベントの、子供からの質問に答えるというコーナーに、

怪しげな通訳を通して答えていた。








「サンタさん、今年は僕のところにプレゼントを持ってきてくれますか?」

という可愛い質問には、



「君がいい子にしていれば、素敵なプレゼントを持っていくよ~♪」

と、マニュアル通りに快調に答えていたが、











「サンタさんちの電話番号は何番ですか?」

などという唐突な質問には、











「ホォーーホッホッホッホ!


 ○▼φΨ÷□×●♂◎£..」











謎のフィンランド語で答えたっきり、

通訳が訳さないという荒業でしのいでいた。







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クリスマス.....

それは子供にとって1年で一番胸がときめき、

そしてまたスリリングな日である。






あれは私が小学2年生の2学期の終わり頃であった。

クリスマスが近づき、

学校では サンタ信仰派 サンタ不信心派 の2つの派閥に分かれ、

毎日、本気の喧嘩を繰り広げていた。








私はもちろん熱心なサンタ信仰者であった。








毎年、私がずっと欲しかった人形などを、

いつのまにやらリサーチしていたらしい優秀なサンタクロースが、

スケジュール管理も素晴らしく、

きっちりクリスマスイブの深夜に持ってきてくれていたからだ。







また我家は、家中の扉の鍵をキッチリ閉めてから就寝する習慣があったのだが、

サンタクロースは必ず、裏口の扉の外にプレゼントを置いてあったところが、








「あ~~今年もサンタさんは、

ドアに鍵がかかってたから、家の中に入れなくて、

ドアの外にプレゼントを置いて帰ったんだな」



と思わせ、私の信仰心を高めていた。









そんなある日、学校から帰って、

私は家の近所にあるお習字の教室に行っていた。

そこでも、やはりみんなの話題の中心は、サンタクロースについてであった。

そんな時、ある女の子がすごいことを口走った。









「私、去年サンタさん見たよ」














マジか?













みんながウソーー!と突っ込む中、その子は平然と言った。


「赤い服着て、小川商店の前歩いてたで」


具体的な店の名前が出たことによって、みんな騒然となった。










小川商店と言えば、我家のすぐ近くではないか。

羨ましすぎる!なんてラッキーなヤツなんだ!!







そんな教室内の盛り上がりがピークにさしかかったころ、

お習字の先生が登場して室内は静まった。







すると先生は、今の騒ぎを聞いていたのか、突然こんなお題を出した。


「今年のクリスマス、サンタさんにお願いしたいプレゼントを1つ書きなさい」








先生にそう言われて、子供たちはまた大騒ぎしながら、思い思いに書き始めた。








そして、みんなが、

「ロボット」 「絵本」 「ぬいぐるみ」 などと書いては先生のところに持って行く中、私は、












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と書いて、先生を苦笑させた。












しかし、私は本気であった。









サンタさんが近所で目撃されてるなんて聞いたからには、

私は必ずやサンタさんに会って握手がしたい。

そしてサインをもらうのだ。







いやこの際、

サンタクロースを捕まえてしまった方がいいな。

いつも肩にかついでいる白い袋の中身も見せてもらい、どうせなら一緒に暮らしたい!










こうして私は、

サンタクロース捕獲大作戦 を決行することにした。










12月24日クリスマスイブ当日。

私は朝から忙しかった。

もちろんサンタクロースをがっちり捕まえる準備である。







夜中にウロチョロするらしいサンタを捕まえるには、

まずは懐中電灯が必須である。






母に、

「大きい懐中電灯貸して!」

と言うと、








「何を探すの?」

と言うので、








「サンタクロースだけど」

と答えると、








母は、ギョッとした表情を一瞬浮かべ、

「サンタさん探してどうするの?」

と聞くので、









「捕まえるんだけど」

と答えると、








「ひえっ!」

となぜか自分が捕まえられるかのように驚いた。








しかし今度は妙に冷静で、気味が悪いほど優しい声で、

「サンタクロースは早く寝るいい子の所にしか来ないのよぉ~♪」

と私を諦めさせようとした。







しかし私の決意は固く、

「大丈夫。寝たフリしてそっと覗いて捕まえるから」

と言い、







さらに

「ちゃんと協力してよね」

と母を捕獲隊員として勧誘した。







母は何やら父とボソボソと話をしていたが、

私は更なる準備に忙しい為、自分の部屋に戻った。










続いて準備するのは、手紙である。

サンタクロースに会い、握手を交わした後、

その交わした握手のまま家の中へ引っ張り込む予定だが、

なにせ相手は白髪の老人といえども巨漢であるため、

子供の力では無理かもしれぬ。







その際、せめてサンタさんにサインを書いて欲しい旨の手紙を手渡し、

サインだけでもなんとかゲットしたい。







そう考え、私は便箋に手紙を書いた。

そして便箋の最後に、

サンタさんがサインを書く為の四角い枠を鉛筆で作って書いた。







その手紙がちょうど書き終わった頃、

母から話を聞いたが私の部屋にやってきた。







「サンタクロース捕まえるんか?」

「うん。去年は小川商店の前にいたところを見た子がおったよ」

「ほぉ~~~。捕まえるんなら、懐中電灯だけではいかんやろ」

そう言って、父は私の部屋から出て行き、

なにやら大荷物を持って戻ってきた。












手には、

軍手、ドライバー、金づち、ハシゴ、

太いロープ、ガムテープなどなど。












私の部屋は、あっという間に強盗犯の準備室となった。












様子を見に来た母は、父に、

「んまぁ~~~お父ちゃん!

なんでそんなもんをいっぱい持ってきてるん!

頼んだことと違うやんか!」


と叱りつけた。









しかし父は、笑顔で

「父ちゃんは先に寝るけど、これ使って頑張って捕まえろよ」

と私の肩を叩いて激励してくれた。

すると母はなぜか更に激怒した。









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by season-maro1 | 2004-12-23 09:57 | 栄えあるオマヌケぴーぷる
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