■それいけ!クリスマス大作戦(2)




それいけ!クリスマス大作戦(1)

を必ず先にお読みください。




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夜になった。

ついにサンタクロース捕獲決行である。







いつも夜10時くらいには寝てしまう私であったが、

今日は寝ている場合ではない。

生まれて初めて徹夜というものも経験してしまうかもしれないが、

これもサンタを捕獲するという重大な任務のためである。

頑張らなければいけない!







母は、9時くらいから

「起きてたらサンタさんなんか来ないんだから、もう寝なさい」

と、いつもなら「宿題が終わるまで寝るな」 とうるさいくせに、

今日に限ってなぜか私を寝かせようと懸命である。







プレゼントをいっぱい持ったサンタクロースと本当に一緒に暮らせることになったら、

母も絶対嬉しいに違いないのに、

まったく協力しない薄情なやつだ。








親と一緒にテレビを見ていたが、あまりに母が寝ろとうるさいので、

自分の部屋に戻った。

すると8歳上の兄が、

父が持ってきた道具をニヤニヤしながら触っていた。







毎年プレゼントをもらっている兄は、私と同じ信仰派らしく、

「サンタクロースはおるぞ。絶対捕まえろよ」

と私を励まし、そして









「サンタクロースと握手をしたら、

クイッと手首を返してサンタの手をひねれ!」


などと、合気道の技のようなことを私に教えた。








そして兄は、

「頑張れよ。兄ちゃんは靴下置いて先に寝るけどな」

と、タンスの引出しから靴下を取り出して出て行った。








なんだ。一緒に捕まえてくれるのかと期待したのに、

兄も役に立たないようだ。








こうなったら、一人で何がなんでもサンタクロースを捕まえて、

明日の朝、茶の間にサンタを登場させ、

みんなを驚かせてやりたい。








そしてサンタを誘導するためにやはり必要と思われる靴下を私も置いておくことにした。

靴下を置いていない家にはサンタはやって来ないのだ。







いつもサンタさんは裏口の扉の外にプレゼントを置いて帰るので、

いつも通り裏口に出た。

すると兄が、さっき持ち出した靴下をすでに置いてあった。







私もその横に靴下を置いたのだが、なんか物足りない気がする。

そう思って、部屋に戻ってタンスからタイツを取り出し、靴下の横に置いた。







タイツの方が、靴下よりもサンタクロースを早く呼び寄せそうだし、

万一取り逃がしても、靴下よりずっと大きなプレゼントをもらえそうだ。

そして先ほど書いた手紙をタイツの中に入れた。

なんだかネズミ捕りを仕掛けた気分である。








( ̄m ̄*ふふふっ。私はワクワクした。自然に笑みがこぼれる。








部屋の電気を消し、早くから寝ている良い子を装った。

そして手に懐中電灯とロープを持ち、窓を少し開ける。

私の部屋から裏口がちょうど見えるのだ。暗闇の裏口を凝視し張り込みを開始した。

時々、懐中電灯で裏口を照らし確認する。








寒い...。

窓を少し開けているので、すきま風が入って寒い。

しかし、わずかな音も聞き逃すわけにはいけないのだ。










ガチャッ

「んまぁ~~~!まだ起きてるの?

本気でサンタを捕まえる気なん?」


と、母が入ってきた。







「シィーーーーーッ!

静かにしてよ。起きてるのがバレるやんか。」







「....まったく。起きてたらサンタさん来ないって!」

そう言った後、横に置いてあるサンタ捕獲道具を見ながら、







「あ、それからサンタさん見つけても、金づちは危ないからやめてね!

あ、ガムテープも嫌やわ...。」


と、ぶつぶつ言い出した。







嫌って何よ...と、訳がわからなかったが、

「お母ちゃんは先に寝てて。私一人で頑張るから」

と、今度は私が母を寝かしつけ、部屋から追い出した。








それにしてもなかなか現れない。

寒いので、父が持ってきてくれた軍手をはめた。

....と、その時、










ガタン...ガサガサガサ...











来たっ!!











心拍数急上昇。ロープを持つ手に力が入る。











暗闇に何かが動いている。

....間違いなく人影だ。












だんだん近づいてきている。見えたっ!













うわあっ! めちゃ怖い顔! 

しかも服が黒い!













「ふっふっふっ....」












うぎゃーっ!怖いーーーっ!


なんか悪いサンタっぽい。













「頑張っとるかぁ~~?」

へ? 聞き覚えのある声だ。









父であった。

懐中電灯で顔を下から照らしながら近寄ってきていたのであった。









「予行演習じゃ。出足が遅いのぉ~~~。

本番は、もっと早く出てきて

パパッとサンタをロープでしばれよ」



と、物騒なことを私に伝授し、家に入っていった。










あ~~やれやれ。少し腰が抜けてしまった。

でも、頑張らないといけないなと、ロープなどの道具の点検をし、

兄に教わった手首の返し方を復習し、再び張り込み態勢に入った。










そしてしばらく時間がたった。











ガチャッ










「まだ起きてるん?もう早く寝てよっ!

お母ちゃんも明日早く起きないとダメやのに...」


と、また母がキレ気味で入ってきた。









「だからお母ちゃんは先に寝てって言ったやん。」

まったく、捕まえる協力もしないのに邪魔ばかりするやつだ。








「だったら風邪引くから、これ着ておきなさい。」

そう言って、母はハンテンとマフラーを私に着せ、

さらに上から毛布をかぶせた。


動きにくい体勢になってしまったが、これで寒さ対策は万全となった。










しかしサンタは、なかなか現れない。

もう近所までは来ているのだろうか。

そんなことをぼんやり考えながら裏口を見つめ続けた。














.......ふと気がつくと外が明るかった。












ん?












しまった!!!!












ハンテンと毛布で身体が次第に温まり、不覚にも寝てしまった。









慌てて裏口を覗くと、置いてあったタイツがボコンと膨れている!!

うわぁ~~~寝てしまった間に、サンタクロースが来ている!!!








裏口の鍵を開け、扉の外に出ると、

やはり置いてあった靴下とタイツの中にプレゼントが入っていた。









まずタイツの中を見る。

タイツには大きなプレゼントが入っていた。

やはりプレゼントは靴下の大きさに比例するようだ。









そして包み紙をよく見ると、

「ジャスコ」 の文字が書いてあった。



サンタさんは、ジャスコで買い物をするらしい。










さらに中を確認すると、私が書いた手紙が入っていた。

そうだ!手紙は読んでくれたのだろうか?サインは書いてくれたのか?












開いてみると、私が鉛筆で書いて用意した枠の中に、


a0021882_959496.gif


と、まぎれもなくサンタの「S」のマークが書かれていたっ!!!









「うわぁ~すごぉ~~~いっ!!」









急いで手紙を持って、台所にいる母のところに駆け寄った。

「見てーーーーーっ!サンタクロースがサインくれた!!!」









「あら、よかったわねぇ」









なんとなくセリフを棒読みするような反応が気に食わなかったが、








「あ、そうそう。サンタさんジャスコで買い物したみたいよ」

と言うと、









「ええっ!!」


と、ものすごい驚きを見せた。










兄にも見せに行こうとしたら、高校一年の兄は、

自分の靴下の中に入っているプレゼントが靴下から抜けないと格闘していたので、

後回しにすることにした。










続いて、父に見せに行ったら、

「ほほぉ~~。んで、肝心のサンタクロースは捕まえたんか?」

と聞くので、








「ほんのちょっと寝てしまった間に来たみたいで、失敗した...」

と肩を落として答えると、








「そうかぁ~~。そしたら今晩も靴下置いといたらまた来るかもしれんぞ。」

と言った。










そんな連続して来るものなのか?










かなり疑問だったが、父がやたら置くように勧めるので、

25日の夜も靴下を置いてみた。

しかし、前日遅くまで起きていたため、すぐ寝てしまった。








翌26日の朝、裏口に出てみると、

ナント!靴下の中にまたプレゼントが入っていた!!









「すごーーーーーい!!!お父ちゃ~~~ん!

お父ちゃんが言うた通り、サンタクロースがまた来たみたい!」









「あ、やっぱり来たんか。なっ!

父ちゃんの言うことは正しいやろがぁ~~。

今日も来るかもしれんぞ。











え?今日も?

24日はイブで、25日はクリスマスだからわかるけど、

さすがに26日は何も関係ないんじゃないの?

そう思ったが、父に言われるとおり、26日の夜も靴下を置いて寝てみた。











すると翌27日の朝、

今度は千円札が靴下の中に入っていた!!












驚いて母に見せると、


「えーーっ!!千円札ーーっ!


うそーーーーっ!」



と、サインの時にはほとんど無反応だった母が、

こっちが驚くほど驚いた。










そして父に報告に行くと、

「うちに来るサンタクロースは、サービス満点やのぉ~~」

と笑っていた。









そうして27日の夜も、28日の夜も....

と調子に乗って毎日靴下を置いてみたら、

サンタクロースは、

結局年末まで靴下の中に千円札を入れてくれた。











そして紅白歌合戦が終わり、除夜の鐘が鳴り終わった頃、


「もうサンタの財布は空っぽや...」


謎のつぶやきをした父が、私にお年玉をくれたのだった....。(完)







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俵太の動画も見てくださいね。

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by season-maro1 | 2004-12-23 09:56 | 栄えあるオマヌケぴーぷる
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